ペットは家族の一員として愛されている存在です。
その生涯を終えた後にどのように供養するかは、飼い主にとって重要な課題でもあります。
近年、ペットを自然に還してあげたいという思いから「散骨」という供養方法を選ばれるご家族が増えています。
そこで、ここではペットの散骨についての基本的な情報やペットの散骨を行う上での注意点を解説します。
愛するペットの供養方法で迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
Contents
ペットの遺骨は散骨できる?
ペットの遺骨は散骨をすることができます。
ペットの埋葬には法律的な制約がないので、飼い主が選びたい方法で供養することが可能です。
最近は、散骨という方法でペットの供養をする人が増えてきています。
ペットの散骨を選ぶ方が増えている理由
ここでは、ペットの散骨が増えている主な理由をいくつか解説します。
金銭的な負担が少ない
ペットのお墓を購入して埋葬した場合、維持管理費が必要なため意外とコストがかかってしまいます。
しかし、散骨の場合は一度の手続きで済むため、長期的な維持管理費かからず経済的です。
特に都市部ではペット墓地が限られており、費用が高額になりがちなので、散骨を選ぶ人が増えています。
飼い主と同じところに還したい
多くの飼い主はペットを家族同然に思っており、自分や家族と同じ、もしくは近くで供養したいと思っています。
しかし、人が入るお墓にペットのご遺骨を埋葬することはできません。
散骨であれば同じ場所にご遺骨を撒くことができるので、同じ場所に還ることができます。
身寄りがない
高齢者が一人でペットを育てている場合、ペットよりも先に自身が亡くなることがあります。
その場合のペットの供養方法として散骨を事前に予約しておく人も多いです。
生前に散骨を予約しておくことで、ペットの供養先を確保することができます。
ペットの散骨方法
ペットの散骨にはいくつかの種類があります。
ここではその主な種類をいくつか紹介していきます。
- 海洋散骨
- 山林散骨
- 空中散骨
- 宇宙散骨
海洋散骨
海洋散骨とは、海に遺骨を撒く供養方法です。
沖まで船を出してから遺骨を海に撒いていきます。
海の自然に還すことで自然との一体感を感じることができます。
自分で行うことも可能ですが、散骨には知っておかないと後でトラブルになるような法律や規制があるため、専門業者に依頼するのがおすすめです。
山林散骨
山林散骨とは、山や森などの豊かな土地に遺骨を撒く供養方法です。
自分で行うことも可能ですが、場所が限られており法律や規制があるので、専門業者に依頼するのがおすすめです。
空中散骨
空中散骨とは、空に遺骨を撒く供養方法です。
飛行機やヘリコプターの上から遺灰を撒く方法や、風船に遺骨を入れて空に飛ばす方法などがあります。
宇宙散骨
宇宙散骨とは、宇宙に遺骨を撒く供養方法です。
専門業者が行っている珍しいサービスなので、費用が高額になります。
ペットの散骨で人気の場所
ペットの散骨ができる場所はさまざまですが、その中でもよく散骨をされる場所があります。
ここでは、一般的にペットの散骨がよく行われる主な場所を紹介します。
自宅の敷地内
自宅の庭などペットがこれまで生活していた場所で散骨をする人が多いです。
自宅であればいつでもペットを身近に感じられて、しかもコストがかからないので、自宅での散骨を選ぶ人が増えています。
他者の土地
いつも散歩していてペットが好きだった場所に散骨したいという方は、他者の土地に散骨をすることもあります。
ただし、他者の土地で散骨をする場合は所有者の許可が必要です。
他者の土地で散骨をしたい場合は、まず所有者に相談しましょう。
ペットの散骨の流れ
ここではペットの散骨の基本的な流れを紹介します。
- 家族で相談する
- 火葬する
- 粉骨する
- 散骨する
1.家族で相談する
まずはペットの供養方法について家族で相談しましょう。
家族みんなが納得できるような形を選ぶと、後のトラブルを防ぐことができます。
2.火葬する
亡くなったペットを火葬します。
火葬はペット専用の火葬場などで行いましょう。
3.粉骨する
遺骨を粉状に砕く粉骨を行います。
4.散骨する
希望の場所で散骨を行います。
ペットの散骨にかかる費用相場
ペットの散骨をしたいという人の多くが、それに必要な費用について知りたいのではないでしょうか。
ここでは、散骨業者を通してペットの海洋散骨をした場合の費用相場を解説します。
ペットの海洋散骨には以下のような費用が必要です。
- 火葬費用
- 粉骨費用
- 散骨費用
火葬費用
ペットの火葬をする際にかかる費用は1万円~5万円程度です。
ペットの火葬は自治体の火葬場ですることもできますが、民間のペット火葬業者ですることもできます。
民間業者に依頼した場合はコストがかかりますが、個別で火葬できるところもあるなどサービスが整っていることが多いです。
粉骨費用
粉骨とは遺骨を粉状にする作業のことで、散骨前に絶対しておかなければならない作業です。
自分でも行うことができますが、精神的にも物理的にも難しいので業者に依頼するのがおすすめです。
業者に依頼した場合は、5,000円~2万円程度かかります。
散骨費用
業者を通して海洋散骨をした場合にかかる費用は5万円~100万円程度です。
費用に幅があるのは、海洋散骨の中でも方法がいくつかあるからです。
方法 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
個別散骨 | 個別で船をチャーターして散骨をする | 10万円~100万円 |
合同散骨 | 複数グループで船をチャーターして散骨する | 7万円~30万円 |
代行散骨 | 業者に散骨を依頼する | 5万円~10万円 |
このようにいくつかの方法があるので、ご自身の思いや予算に合った方法を選びましょう。
ペットの散骨で注意するポイント
ペットの散骨をする際にはいくつか気を付けるべきポイントがあります。
ここでは、ペットの散骨で注意すべきポイントをいくつか紹介します。
粉骨をする
ペットの散骨をする時は、まず粉骨作業をしましょう。
粉骨していない遺骨を自然の場所に撒くと周囲の人が驚いて事件化してしまう可能性があります。
散骨をする際には、必ず粉骨をしておく必要があります。
散骨場所に注意する
散骨をする際は場所選びに注意しましょう。
例えば海水浴場や漁場の近く、水源の近くなどで散骨をすると周辺住民に迷惑がかかってしまいます。
散骨をする場合は、周辺住民の迷惑にならない場所で行うことが大切です。
散骨マナーを守る
ペットの遺骨を散骨する際に、お供え物をしたいと考える人は多いです。
しかし、散骨をする場所は自然の場所なので、自然に悪影響を与えるようなお供えは控えましょう。
例えば、海洋散骨でペットのおもちゃを海に流す、山林散骨でおやつをお供えする、などの行為は自然に悪影響を及ぼす可能性があります。
お供えをする場合は、自然に還る物を選ぶことが大切です。
自分で火葬しない
体が小さなペットであれば自分で火葬することができると考える人が多いです。
しかし、自分で火葬するのは法律違反になる可能性があります。
火葬する際は火葬場で行うようにしましょう。
ペットの散骨以外の供養方法
ペットの供養方法は散骨だけではありません。
最近は供養方法が多様化しているので、ご家族に合った方法を選択されます。
ここでは、ペットの散骨以外の供養方法をいくつか紹介します。
- 自宅の敷地内に埋葬する
- プランター葬儀
- ペット霊園
- 納骨堂
- 手元供養
- はく製
自宅の敷地内に埋葬する
ペットが亡くなった後に、自宅の庭などに埋葬するという人も多いです。
自宅の庭はペットと家族の思い出の場所であり、いつでも近くに感じることができます。
目印となる木の下や庭に墓標を建てる人も多いです。
プランター葬
自宅に庭がない人や庭に埋葬するのに抵抗がある人はプランターに埋葬することもあります。
プランターに埋葬して美しい草花を植えることでペットを供養することができます。
ペット霊園
ペット霊園とは、ペットを埋葬するお墓などがある霊園のことです。
ペットの火葬場と併設して建てられていることが多いです。
個別のお墓を建てる場合もあれば、共同墓に埋葬する場合もあります。
納骨堂
納骨堂とは、遺骨を保管しておく埋葬方法です。
ペットの遺骨が入った骨壺を個別に保管してくれる場所もあれば、共同の場所に遺骨を保管する場所もあります。
手元供養
手元供養とは、自宅や身近な場所で遺骨を保管する供養方法です。
骨壺に入れた遺骨を保管する場合もあれば、アクセサリーに遺骨を入れて身に付ける場合もあります。
いつでもペットを近くに感じられるため、多くのご家族に選ばれています。
はく製
生きていた時のままの姿でいて欲しいという方は、はく製にする場合もあります。
はく製にする場合は専用の処理をする必要があるので注意が必要です。
まとめ
ペットの供養方法の一つとして散骨が選ばれることがあります。
散骨とは自然に遺骨を撒く供養方法で、日本では海洋散骨が最も多いです。
海洋散骨は自分でも行うことができますが、場所選びや細かなルールが難しいので業者に依頼するのがおすすめです。
信頼できる業者を見つけて、心に残る散骨式を行いましょう。