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海洋散骨


海洋葬とは?葬儀の流れや費用相場、メリット・デメリットについて

海洋葬とは?葬儀の流れや費用相場、メリット・デメリットについて

お墓を代々引き継いでいくという選択肢以外の供養の方法が増えた今では、遺骨をお墓におさめるのではなく、海や山に還す自然葬が人気を集めています。

中でも、海が好きな方におすすめの散骨方法が海洋葬で、海の上に粉砕した遺骨を撒きます。

今回の記事では、海洋葬の方法やメリット・デメリットと具体的な費用の相場をご紹介します。

海洋葬に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

海洋葬とは何か?

海洋葬とは、文字通り遺骨を海に撒いて供養することを指しています。

遺骨は粉末化した上で海に撒かれるため形が残らず、死後は自然に還りたいと考える方から人気を集めています。

近年では、有名人が海洋葬を選択するケースも増えたことで、海洋葬の知名度が高まりました。

海洋葬の種類

海洋葬の種類

海洋葬にはいくつかの種類が存在します。

故人と家族が理想とする海洋葬の方法を決めておきましょう。

ただし、散骨業者によっては、複数の散骨方法が用意されていないサービスもあります。

個別散骨

個別散骨では、家族1組で船をチャーターして貸切り、船長・添乗員と一緒に散骨場所まで移動した後に海洋葬を行います。

周囲を気にせずにプライバシーを確保しながら故人を供養する方法です。

合同散骨

合同散骨は2〜3組の家族で1台の船をチャーターし、船長・添乗員と一緒に散骨場所まで移動して海洋葬を行います。

一緒に船に乗る家族とスケジュールを合わせるため、日程調整に時間がかかる場合があります。

委託散骨

委託散骨では、家族は船に乗らずに散骨業者が海洋葬を代行します。

海洋葬完了後に、散骨時の写真や散骨証明書を受け取ります。

委託散骨にも個別委託散骨と合同委託散骨の2つのタイプがあります。

海洋葬にかかる費用の目安

海洋葬にかかる費用の目安

海洋葬にかかる費用の目安は、海洋葬の種類によって異なります。

ここでは、海洋葬に必要な費用の目安を一覧にしました。

内容費用目安
個別散骨:海洋葬15万円〜40万円
合同散骨:海洋葬10万円〜20万円
委託散骨:海洋葬3.5万円〜10万円

海洋葬全体で考えると、3.5万円〜40万円の費用が必要になると考えてください。

業者ごとに、他社と差別化を図るオプションプランが用意されています。

海洋葬のメリット

海洋葬のメリット

海洋葬には、次のようなメリットがあります。

そのメリットを知れば、海洋葬が人気を集めている理由が分かるでしょう。

故人が自然に還れる

海洋葬を希望する方の多くは「死後は自然に還りたい」と考えています。

海洋葬を含む自然葬では、遺骨は形が残らないサイズまで粉砕されるため、文字通り海や大地の一部として自然に還れるのです。

長期的な費用がかからない

お墓や納骨堂は長期的な維持費がかかります。

海洋葬も3.5万円〜40万円の費用が必要ですが、海洋葬が終わった後に発生するコストはありません。

海洋葬であれば、子供や孫に経済的な負担をかけずに済むと考えてください。

お墓を維持する負担がかからなくなる

お墓の維持には経済的コストのみでなく、メンテナンスや清掃などの手間もかかります。

子供や孫がお墓の維持を負担に感じるケースは非常に多く、地元を離れてもお墓を管理するために多くの時間を割いているご家族もいるのです。

現段階でお墓がないという方は、海洋葬を選ぶことで次世代にかかる負担を無くせます。

環境に負担をかけない

海洋葬で散骨する骨は粉末状であり、環境を汚染する心配はありません。

それに対してお墓や納骨堂は野山を切り開いて作り、日々人の手で整備されます。

海洋葬の方が、環境に負担をかけない供養の方法だと言えるでしょう。

海洋葬のデメリット

海洋葬のデメリット

海洋葬にはメリットのみでなくデメリットも存在します。

メリットとデメリットを比較して、自分に適した散骨方法かどうか考えてみましょう。

心の拠り所がないと感じる方もいる

海洋葬ではお墓のように形が残らないことから、手を合わせて故人のことを想う場が無くなると感じる方もいるようです。

散骨後に喪失感を覚えるかも知れないという方は、全ての遺骨を散骨せずに遺骨の一部を手元供養することで、心の拠り所を残すという手段もあります。

親族の理解を得る必要がある

親族の理解を得られないまま散骨をすると、後々トラブルになる可能性があるでしょう。

海洋葬を検討する際には、事前に親族間で十分な話し合いをして、お互いの同意を得るようにしてください。

海洋葬に抵抗を感じる方が親族にいる場合には、丁寧な説明を根気強く続けることが大切です。

天候に左右される

海洋葬は天候のせいで延期になる可能性があります。

急遽散骨の日程が変更された場合、参加が難しくなる親族もいるでしょう。

海の上で行う葬儀であるため、雨が降っていなければ良いとは限りません。

海洋葬の流れ

海洋葬の流れ

海洋葬を行う際には、次のような流れで話を進めます。

海洋葬を希望する方は、一連の流れを把握しておきましょう。

1.散骨業者を決める

最初に、散骨業者を決定します。

散骨業者により用意されたプランや費用が異なるため、複数のサービスを比較検討しながら信頼できる業者を見つけてください。

特に実際の利用者の口コミを参考にして、評判が良い業者を選びましょう。

2.問い合わせ・申し込み

散骨業者が決まったら、海洋葬について相談をして申し込みを済ませてください。

相談時には、疑問点を全てクリアにできると良いでしょう。

可能であれば、契約前に見積書を受け取ってください。

3.遺骨を預ける

海洋散骨では遺骨を2mm以下の粉末状にする必要があります。

大半の散骨業者では粉骨も依頼できるため、契約後に遺骨を業者に預けましょう。

持参が難しい場合は、郵送に対応可能な業者が多いです。

4.粉骨

散骨業者では預かった遺骨を専用の粉砕機で細かくします。

粉骨に立ち会える業者もいるため、立ち会い希望の方は事前に確認してください。

一度お墓に納めた遺骨を散骨する場合には、洗骨・乾燥作業が必要です。

5.海洋葬当日

ここでは、海洋葬当日の流れを説明します。

  1. 指定の場所に集合する
  2. 出航
  3. 散骨場所に到着
  4. 散骨・献花・献酒
  5. 黙祷
  6. 帰港

当日は添乗員の指示に従って海洋葬を実施してください。

帰港後は、解散もしくは会食の場を用意することも可能です。

海洋葬の注意点と守るべきマナー

海洋葬の注意点と守るべきマナー

海洋葬は違法行為ではありませんが、守るべきルールやマナーが存在します。

トラブルなく海洋葬をするために、海洋葬の注意点を知っておきましょう。

【参考】散骨に関するガイドライン(厚生労働省)

副葬品は自然に還るもののみ

海洋葬では、献花・献酒と一緒に故人が好きだったものを副葬品として海に撒くことができます。

しかし、金属や人工物などを海に投げてしまうと海洋汚染の原因になるでしょう。

海洋葬の副葬品は自然に還るもののみにしてください。

お花を海に撒く場合も、包装紙やゴムなどを完全に取り除き、できれば花びらのみを海に落とすと良いです。

判断が難しいものは、散骨業者に問い合わせてみましょう。

海洋葬当日に喪服を着ない

海洋葬の船が出航する港には近隣住人がいます。

喪服を着て海洋葬をすると、近隣住人に宗教的感情を害してしまう恐れがあるでしょう。

近隣住人からの反対意見が出れば、今後海洋葬ができなくなる可能性も考えられます。

海洋葬に関わらず自然葬では、周囲への配慮が求められるのです。

海洋葬がおすすめの方・ご家族

海洋葬がおすすめの方・ご家族

次のような考えを持つ方には、海洋葬をおすすめします。

  • 海が好き・自然が好き
  • 死後は自然に還りたい
  • 次世代にお墓を維持する負担をかけたくない
  • 自分が入るお墓がないがお墓を建てたくない
  • お墓を建てるコストを節約したい
  • 葬儀などにお金をかけたくない・かけてほしくない

海洋葬以外の自然葬の種類

海洋葬以外の自然葬には、次のようなものがあります。

海洋葬は代表的な自然葬の方法ですが、他の手段も考えてみましょう。

自然葬の種類内容
樹木葬墓石の代わりに樹木を墓標にする
許可された土地のみで実施可能
山林葬指定された山林で散骨する
空中葬粉末化した遺骨をヘリコプターで海上まで運び散骨する
バルーン葬風船に遺灰の一部を入れて空に飛ばす散骨方法
宇宙葬遺骨を入れたカプセルを乗せたロケットを飛ばして散骨する

自然葬を希望する方は、生前に自分の自然葬の方法について話し合いをすることをおすすめします。

まとめ

海洋葬は海の上で散骨して故人を供養する方法です。

遺骨を粉末状にした上で海に撒くことから、死後は自然と共に穏やかな時間を過ごせると言えるでしょう。

海洋葬には、子供や孫にお墓を維持する負担をかけずに済む・長期的なコストがかからないなどのメリットがあります。

自分は海洋葬で供養されたいと考えている方は、その希望を家族に伝えておきましょう。

海洋葬とはどんな葬儀ですか?
海洋葬とは、文字通り遺骨を海に撒いて供養することを指しています。

この記事の監修者

株式会社Aクルーズ 

代表取締役 天井 十秋

散骨や粉骨などご遺骨のプロとして葬送事業を10年以上行っている経験とノウハウで、延べ1500名様以上の供養に携わってきた。散骨業の健全化も図るため、散骨協会の理事も務める。

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