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お役立ちコラム

海洋散骨


散骨はよくないと思われるのはなぜ?理由や対処法、注意点について

散骨はよくないと思われるのはなぜ?理由や対処法、注意点について

近年、従来の墓地に埋葬する形式に代わり、散骨という新たな供養方法が注目を集めています。

然に還るという故人の意思を尊重できることや親族が墓地の維持をする負担がかからないことから選ぶ人が増えている散骨ですが、いくつかの理由から散骨に抵抗感を持つ人も少なくありません。

この記事では、散骨に対する抵抗感の理由やその対処法、散骨の種類や散骨までの具体的な流れついて詳しく解説します。

散骨とは

散骨とは、ご遺骨をパウダー状に粉骨したものを、海や山など故人の希望する場所に撒いて供養する方法のことです。

お墓への埋葬に比べて供養の儀式にかかる費用が抑えられることや、ライフスタイルの変化に伴い多様な供養方法が受け入れられるようになったことから、最近人気を集めています。

散骨は主に以下の3種類があり、故人の希望に合わせて柔軟に散骨する場所を選べるのも大きな魅力です。

  • 海洋散骨
  • 森林散骨
  • 空中散骨

散骨がよくないと思われがちな理由

散骨がよくないと思われがちな理由

散骨は最近徐々に浸透してきた葬送の形態の一つですが、以下のような理由から、散骨に対して抵抗感を抱く人も少なくありません。

散骨がよくない印象を与えがちな理由について解説します。

違法ではないかと思われている

散骨は法律的に認められていないのではないか、と疑問を持つ人がいます。

実際には、日本国内で散骨を行うこと自体は違法ではありません。

ただし、一定のルールやマナーを守ることが求められています。

例えば、散骨を行う際には粉骨をした上で散骨しなければならないことや、散骨が認められている場所で撒く必要があるなどといったルールを遵守する必要があります。

こうしたガイドラインを守れば、散骨は合法的に行えるものの、違法性を疑う声が残っていることが、抵抗感の原因となっています。

宗教的な問題への懸念がある

日本では伝統的に仏教の影響を受けた葬送習慣が根付いており、遺骨を墓地に埋葬することは長い間一般的な埋葬方法でした。

散骨は、この伝統的な埋葬方法とは大きく異なるため、特に信仰心の強い家庭や地域では、宗教的な問題として抵抗感を抱かれることが少なくありません。

さらに、散骨は「供養が不十分ではないか」や「死者の霊が安らかに眠れないのではないか」といった不安を感じる人もいます。

このような宗教的な背景も散骨に抵抗を感じる理由の一つです。

お墓がないことへの抵抗がある

従来の埋葬方式では、遺骨が家族のお墓に埋葬され、そこを訪れることで亡くなった人を偲ぶという習慣がありました。

お墓は家族のつながりを象徴する場所であり、遺族が故人を思い出し、心の安定を得るための重要な場所とされています。

しかし、散骨の場合、物理的な「墓地」がないため、遺族が故人を偲ぶ場所がなくなってしまうことに対する不安や抵抗感が生じます。

以上のような「どこに故人が眠っているのか分からない」という感覚が、散骨を受け入れにくくしている理由の一つと言えるでしょう。

粉骨することへの抵抗がある

散骨を行う場合、遺骨を粉状にする粉骨を行う必要があります。

しかし、遺骨を粉にするという行為に対して抵抗を感じる人は多くいます。

特に、散骨では粉骨したご遺骨を撒く際にパウダー状にした骨を目にするため、抵抗感がある方には散骨への良い印象につながらない可能性があります。

家族に散骨がよくないと思われないための対処方法

家族に散骨がよくないと思われないための対処方法

散骨を希望する場合、家族や親族から抵抗を感じられることがあります。

しかし、適切に説明し、彼らの不安や疑問に応えることで、理解を得ることが可能です。

以下に、家族に散骨がよくないと思われないための対処方法を解説します。

違法でないことを説明する

散骨に馴染みのない方にとっては、散骨が合法で行えるものだと知らない場合も多いです。

そのため、まずは散骨が日本国内では合法であることを説明することが重要です。

最近では散骨を行うための専門業者も多く存在し、法律や環境に配慮した方法で散骨をサポートしてくれます。

こうした点を丁寧に家族に説明することで、違法性に対する不安を解消し、散骨に対する理解を深めてもらうことができるでしょう。

宗教的に問題がないことを説明する

散骨が宗教的な問題になるのではないかという懸念も、家族にとって大きな抵抗要因となることがあります。

しかし、現代では葬送方法の多様化が進んでいるのに加え、多くの宗教では死後に「自然に還る」という考え方が尊重されます。

以上の理由から、宗教的な観点から散骨が問題ないことを説明することが大切です。

特に心配な場合は、家族の信仰する宗教の指導者や専門家に相談し、散骨に対する具体的な意見を聞くことで、家族に安心感を与えることができるでしょう。

供養方法が多様化していることを説明する

近年、従来の墓地埋葬に代わる供養方法が増え、多様な選択肢があることを家族に伝えるのも重要です。

散骨もその一環として、自然に還る、故人の意思を叶える埋葬方法である、という事実を家族に分かってもらうことが重要です。

こうした新しい供養の形が受け入れられている現代の状況を家族に説明することで、散骨が単なる「埋葬の代替」ではなく、一つの正当な選択肢であることを理解してもらいやすくなります。

散骨のメリット

散骨のメリット

ここまで散骨が良くないと思われる理由やその対処法について説明しましたが、散骨のメリットを理解することで抵抗を感じている家族への説得もしやすくなるでしょう。

自然に還るという故人の意思を尊重できる

散骨の最大のメリットは、遺骨が自然に還るという点です。

墓地に埋葬されるのではなく、故人の遺骨を自然に還せるため、故人の希望に沿った形で見送ることができます。

散骨禁止の場所でなければ生前の思い出の場所に散骨することもできるので、お墓に入るよりも魅力的に感じる場合も多いでしょう。

墓地の維持費がかからない

散骨は、基本的に一度行えばその後の管理費や維持費が発生しません。

また、墓を建てるための高額な費用が不要となるため、経済的な負担を大幅に減らすことができます。

特に、都市部では墓地の費用が非常に高額になることが多いため、散骨がその代替として選ばれることが増えています。

お墓参りの負担が軽減される

散骨は、特定の場所に墓がないため、墓参りを行う必要がありません。

お墓が家から遠い場所にある場合、お墓参りが負担になるケースもあるため、家族のストレスにならないのは大きな利点と言えるでしょう。

故人を偲ぶ際には、ご遺骨で作ったペンダントなどを業者に依頼することもできるので、それらを使って自宅でも故人を思い出すことができます。

散骨を進める上での注意点

散骨を進める上での注意点

散骨をトラブルなく進めるには、いくつか守るべき注意点があります。

遺骨の粉骨を忘れずに行う

ご遺骨を元の状態が分かる形で撒くと「死体遺棄等罪」に該当してしまう可能性があるため、散骨を行う前に、遺骨は2mm以下のパウダー状に粉骨した上で散骨する必要があります。

散骨を業者に依頼する場合は粉骨も合わせて行ってくれるので安心して任せられます。

散骨禁止の場所には撒かない

散骨は、どこでも自由に行えるわけではありません。法律や条例で禁止されている場所や、公衆の場では散骨を行えない点に留意してください。

日本で散骨が禁止されている場所は、下記などが挙げられます。

  • 条例で禁止されている場所
  • 自然保護区域
  • 公共施設・国や自治体が所有する土地
  • 海水浴場
  • 観光施設

散骨を行う際は事前にその場所が散骨可能かどうかを確認し、トラブルを防ぐために許可をとってから散骨すると良いでしょう。

散骨が条例で禁止されている自治体については、静岡県熱海市や北海道長沼町など、観光地で有名な場所や農業・漁業が盛んな土地では散骨ができない傾向にあるので注意しましょう。

周囲へ配慮して散骨する

散骨を行う際には、周囲の人々や環境に配慮することが不可欠です。

散骨禁止の場所では散骨をしないことは前提として、散骨を行う場所に他の人々がいる場合は、距離を保ち、迷惑をかけないようにしましょう。

一般的に散骨は周囲の住宅などから離れた場所で行いますが、風向きや天候にも注意し、遺骨が他の場所に飛ばないよう配慮することも重要です。

業者と散骨場所を決める際は、希望する場所が周囲の人目につかない場所かを確認しておくと良いでしょう。

散骨の種類

散骨の種類

散骨の種類は以下の通りです。

海洋散骨

海洋散骨は、海で行う散骨です。

一般的には船をチャーターし、人目につかない沖合数キロメートル以上の場所で行うことが多いです。

海には特別な思い出を持つ故人の方も多く、散骨の中でも行う人が多い方法と言えます。

森林散骨

森林散骨は、森林や山岳地帯に遺骨を撒く方法です。

静かで落ち着いた雰囲気で散骨できることや、植物や動物に循環されるという自然回帰の考え方に沿っていることから人気ですが、国有地や都道府県が所有している土地、私有地などに撒くことはできないため、行う際は事前に散骨が可能な場所かを慎重に確認する必要があります。

空中散骨

空中散骨は、飛行機やヘリコプターを利用して、空中から遺骨を撒く方法です。

海や山など、広範囲に撒かれることが一般的です。

最近は、粉骨したご遺骨をバルーンに入れて落とす「バルーン葬」も注目されています。

広い空を背景に故人を偲ぶことができますが、ヘリのチャーター代など他の散骨方法と比べると費用が高くなる傾向にあります。

海洋散骨の方式

海洋散骨の方式

海洋散骨を行う際、遺族が自分で行う場合と、業者に依頼して行う場合があります。

業者に依頼する場合、主に以下の3つの方式が選ばれます。

委託散骨

委託散骨は、散骨業者に全ての作業を委託する方法です。

遺族や家族が立ち会わず、業者が責任を持って遺骨を散骨します。

遺族が遠方に住んでいたり、忙しくて現場に行けない場合でも、業者が代わりに散骨を行うため、負担が軽減されるのがメリットです。

業者は数々の実績を積んだプロのため、後のトラブルの心配なく安心して任せられますが、故人の最期を直接見ることができない点に注意が必要です。

立ち合い散骨

立ち合い散骨は、遺族や家族が業者の用意した船や場所に行き、実際に散骨の場に立ち会う方式です。

基本的に1つの船に1家族しか乗らないため、親族だけで故人を偲ぶことができるのが大きな魅力と言えるでしょう。

合同散骨

合同散骨は、他の遺族と合同で遺骨を散骨する方法です。

同じ日に複数の遺骨が一緒に散骨されますが、ご家族ごとにしっかりとセレモニーが行われます。

船のチャーター代などを他の家族と分割できるため他の方式と比べると比較的安価に散骨できるのが大きなメリットです。

その一方で、散骨の場所や時間を自由に決められない可能性がある点に注意しましょう。

散骨の流れ

散骨の流れ

散骨の流れを知っておくことで、散骨に対する具体的なイメージを持つことができ、抵抗感が和らぐきっかけになるでしょう。

散骨は一般的に以下の流れで進めていきます。

  1. 故人の希望を確認する、親族に了解を得る
  2. 場所、日時、方式を決める(業者に依頼するとスムーズ)
  3. 粉骨を行う
  4. 散骨

散骨をするかお墓に埋葬するかは大きな決断となるため、なるべく本人がご存命の間に、意思確認と周囲への了承を得ましょう。

親族の中でも、後々のトラブルを避けるために事前に話し合うのが望ましいです。

もし反対される親族の方がいる場合は、先ほど紹介した散骨に抵抗感を持たれないための対処法を活用すると良いでしょう。

意思確認を取ったら場所や日程、方式を決め、粉骨を行った後、散骨を行います。

散骨は専門の散骨業者に依頼するのがおすすめ

散骨は一つの立派な供養方法であり、違法ではありません。

前提としてご遺族の中で同意した上で散骨することが重要ですが、後のトラブルを避けるためにも実績豊富なプロの散骨業者に依頼するのがおすすめです。

どの散骨業者が良いのかお悩みで、関西圏にお住まいの場合は、大阪、神戸、和歌山で海洋散骨を行っている海洋散骨のAクルーズへご相談ください。

海洋散骨のAクルーズは大阪湾を中心に10年以上の実績を誇り、合同散骨から貸切散骨まで幅広いプランを提供しています。

ご依頼の場合は自分で行うのが難しい散骨から散骨の際の献花・献酒の手配まで全て行うプランもご用意しています。

まとめ

ここまで、散骨に対する抵抗感の理由やその対処法、散骨の種類や散骨までの具体的な流れついて解説しました。

散骨は、現代のライフスタイルに合った新しい供養方法として、多くの人々に選ばれるようになっています。

しかし、散骨には法律的な誤解や宗教的な問題、そしてお墓を持たないことへの抵抗感が伴うことも少なくありません。

後の親族間のトラブルなどを避けるためにも、散骨のメリットをしっかり説明し、法的に問題がないことを伝えることが大切です。

散骨には場所の選定などの手続きが必要なため、実績が豊富にある専門業者に依頼するのが最も確実と言えます。

どの業者にするか迷った方はぜひ、海洋散骨のAクルーズにご相談ください。

日本で散骨は合法ですか?
日本国内において、散骨を規制する法律は存在しません。
また、非公式ではなるものの法務省より、節度を持った散骨であれば、供養の範囲とされています。

この記事の監修者

株式会社Aクルーズ 

代表取締役 天井 十秋

散骨や粉骨などご遺骨のプロとして葬送事業を10年以上行っている経験とノウハウで、延べ1500名様以上の供養に携わってきた。散骨業の健全化も図るため、散骨協会の理事も務める。

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